◆ 探し物はなんですか? 〜May I help you?〜 A ◆

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「おー、待たせたな!」

トイレに着くと、お兄さんは大きな声で姿の見えない友達に話しかける。

「待ちくたびれたっつうの。で? 良いの見つかった?」

一番奥の個室から返事があった。

「ばっちり! 最高のを見つけてきたからな〜。汚しても構わないそうだから、遠慮無く使わせてもらお〜」

そう言うと、一緒に来たお兄さんが僕の肩に手を置いて、声のした個室を指差す。

「あいつ、ずっとあそこで待ってたんだ。早く行って使わせてやってくれる?」

「はい・・・でも、あの、僕何を・・・?」

いいから、いいから。とお兄さんは僕の背中を押す。
押されてよたよたと前につんのめる。
個室の扉は開いていたが、いきなり入るのは失礼かな?っと横から覗き込むように顔をだした。

「・・・あのー、失礼しま−」




!!!??!!!



何? 何?



「どうしたの?」

驚いて思わず顔を引っ込め、茶髪のお兄さんを振り返る。
けど、お兄さんは不思議そうに僕を見ている。

見間違え・・・? 
でも・・・ 
ううん、あんなのあるわけないよ。 
お兄さんも僕を不思議そうに見てるし・・・

呼吸を整え、もう一度覗き込んでみる。

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