目を覚ますと、僕はトイレの個室にいた。
立ち上がろうとして、ズキッと体に痛みが走った。
あ・・・・
全てが頭を過り、こぼれる涙を拭い、震える体を必死に抱き締める。
動けなかった。
・・・・・・・
どのくらいそうしていたのか・・・
得に何かを考えていたわけでもなく、時間だけが過ぎていく。
コツン、コツン・・・
誰か来る・・・
反射的に体が動いていた。
バタンっと扉を開き、逃げるように駆け出した。
入り口で誰かにぶつかったが、振り返らなかった。