「ねえ、君、・・・」
コンコン、
男が何か言いかけたが、計ったようなタイミングでドアが叩かれる。
「はい毎度。料金分は堪能したろ? 悪いけどもうお終いよ〜」
名残り惜しそうにマモルを振り返りながらぐずる男を、シンジが押し出すように外へと誘導する。
「またよろしく〜」
僕も、お礼言わなきゃ・・・
「・・ふァ・・・カフッ・・ケホッ・・・」
教えられたとおり、お礼の言葉を発しようと口を開くが、大きな気泡が出来、コポンッと割れた音がして、カラカラと喉にからまる。
口の中に纏わり付いた精子は、何度呑み込んでも無くならない。
「くふッ・ん・・、ありがど・・・ごびゃい・・ま・ひた・・・」
下唇をギュッとしめても、苦味が誘発するだ液が溢れ、両端からタラタラとこぼれてしまう。
汚れた床におかまいなしに、ズルズルと座り込む。
シミがはっきりと目に映る。
制服、また汚れちゃった・・・
無意識にゴシゴシと体を擦る。
サラリーマンさん・・・
町で見かけても声はかけないで下さいね・・・
end